そろそろ「思うところ」も溜まってきた頃ではないでしょうか。多くの人にとって手探りでのスタートだった在宅ワークも当初のとまどい期からいわば安定期へ。そんな今だからこそ聞いておきたい。「在宅ワーク +と−」。次の働き方・住まい方・豊かな暮らしへのステップとして。2021年12月、思う存分、声を聞かせていただきました。
<回答者Profile>
在宅ワーク歴「平均18.2ヶ月(約1年半)」 約6割が1年〜2年の在宅ワーク歴。首都圏でIT、広告、メディア、旅行、製薬、不動産に勤める20代〜50代。「家族と同居」と「一人暮らし・恋人と同棲」でほぼ50%ずつの構成。(n92)
では、さっそく見ていきましょう。
まず、
現在の働き方と理想の働き方について
いきなり興味深い回答です。在宅ワーク日数を「今より増やしたい」は想定していましたが、「おやっ?!」と思うのは、休日日数。ぎりぎり週休2日を割っている現在に対し、理想は週休2.1日、「週休3日もありえる」という回答も。働き方と休み方は表裏一体。当然、休日のあり方にも変化が訪れるというわけですね。
つづいて、「仕事の時間・効率」について。
仕事の時間は?
増えた41% 減った26% どちらともいえない33%
仕事の効率は?
上がった52% 下がった37% どちらともいえない11%
仕事の効率が上がったという回答が5割を超える一方、下がったとする回答も37%。改善の余地がまだまだありそうです。
そのヒントは、以下の回答にはっきりとしたカタチで現れます。
家族・職場とのコミュニケーションの変化について
在宅ワークを始める前と現在のコミュニケーションの変化について聞いてみました。
調査前の想定よりも明確な差異がでました。
・家族とのつながりは増える。
・職場とのつながりには物足りなさを感じる。
といえそうです。つづけて、自由回答です。
自由回答1)
在宅ワークの「+」メリットは?
1位 通勤時間の短縮による「時間の増加」
2位 自分のペースで仕事ができる・集中できる
3位 家事と仕事の両立がしやすい
1位については、自由回答ながら、ほぼ全員が取り上げました。「朝、出社の準備・通勤に充てていた時間を仕事に回せる」「移動のストレスがなくなった」「業務終了後すぐにプライベートの時間に切り替えられる」などの声がありました。共感できる方も多いのではないでしょうか。
自由回答2)
在宅ワークの「−」デメリットは?
1位 同僚とのコミュニケーションがとりにくい
2位 仕事とプライベートの垣根が曖昧に
3位 ダメなマイペース・集中できない/運動不足
1位は約8割の人が回答。「ちょっとした相談がしにくい」「上司/部下の動きが把握できない」「偶発的なコミュニケーションの減少」「チャットで伝えてトラブルになることが増えた」「仕事以外の雑談が減り寂しい」「同僚と仲を深めるのが困難」「少し話せば解決することも要件化して時間がかかる」などなど…と、1件1件の回答のボリュームが厚く、職場の同僚たちとのコミュニケーションの物足りなさに関する切実な思いが感じ取れました。2位、3位に関しては、「+」メリットとの表裏。スケジュール管理や仕事環境の整備などで解決していけるポイントかもしれません。
(関連記事:「集中するのにちょうどいい空間ってありますよね?」
「オフィスが恋しい?!在宅ワークで困ったこと 4選」 )
自由回答3)
オフィスワークの「+」メリットは?
1位 人がいる・コミュニケーションがとれる
2位 仕事のための環境が整っている
こちらの回答は自由記述ながら、この2つにほぼ意見が集約されました。特に1位に関しては在宅ワークを経験したからこそ気づいた・顕在化したメリットと言えるかもしれません。「雑談・相談が気軽にできる」「わからない点をすぐ聞きやすい」「同僚との自然なコミュニケーションで気分転換できる」「指示やお願いがしやすい」「ちょっとご相談なのですが、、と耳打ちできる」などの声。今まで当たり前にやってきたことほど大切なことなのかもしれません。
最後にずばり聞いてみました。
在宅ワークのコツは?
こちらもきれいに回答が2つにまとまりました。
「メリハリ」と、密な「報連相」です。
具体的には、
・時間の区切り、空間の区切り、朝の活用、外に出る…といった「メリハリ」。
・かかえず報告、チャットは即レス、過剰と思えるほどの密な連絡、遠慮なく電話で相談・・・といった密な「報連相」。
ついで、
「メリハリ」「報連相」のための机周りの環境やガジェットへの投資を惜しまない。という声がありました。
(まとめ)
在宅ワークで、
・家族とのつながりは増える。
・職場とのつながりには物足りなさを感じる。
よりよい「在宅ワーク×オフィスワーク」のための課題
つけるメリハリ
「仕事と家事」:時間・空間の区切り。
つけすぎないメリハリ
「仕事仲間との交流」:オフィスでの立ち話や雑談は大事。仕事の効率にも寄与。
在宅ワーク中は、密な報告・連絡・相談の「3密な」コミュニケーションを。
For better Life Design.
リビオは早くから在宅ワークに着目し、在宅ワークに適した空間「モアトリエ」や「シェアオフィスのあるマンション」「可変する空間設計」などをカタチにしてきました。働く人、暮らす人、働いているとき、休んでいるとき、すべてにうれしい「職住同居」をテーマにした住まいのあり方について今後も研究をつづけていきます。
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