「新たな街」の核となる 「リビオタワー羽沢横浜国大」と 「HAZAAR」

開発企画本部 品川開発室 チーフマネージャー
釣 祐吾
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寺田倉庫株式会社
執行役員 不動産事業担当
田嶋 拓也
2019年に開業した「羽沢横浜国大」駅徒歩1分に立地する
「リビオタワー⽻沢横浜国⼤」は、商業施設「HAZAAR(ハザール)」との一体開発で誕生した、地上23階建て・全357邸のランドマークレジデンスです。
この街とプロジェクトにひとしおの想いを寄せる、日鉄興和不動産と寺田倉庫の担当者に話を伺います。
【INDEX】
1.羽沢エリアの歴史とプロジェクトの背景をひも解く
2.新駅×超高層タワーレジデンス フラッグシッププロジェクトにかける想い
3.ここにしかない街のデザインを追求した「HAZAWA VALLEY」
4.日鉄興和不動産×寺田倉庫が豊かな未来を拓く
1.羽沢エリアの歴史とプロジェクトの背景をひも解く
かつての倉庫街が新たな賑わいを集める暮らしの舞台へ

田嶋:この羽沢地区は、当社にとって“第2の創業地”とも言える場所でした。当社は1950年に天王洲エリアで創業し、1960年代には横浜の物流拠点の一つであった羽沢エリアでも倉庫事業を展開していたのです。
それが、相鉄線の都心乗り入れを受け、新駅の建設と駅前整備が進められることになり、当社や地元の方々の土地が計画用地となりました。物流倉庫は閉鎖したのですが、もともと思い入れのある土地でしたから、当社も新しい街づくりのプロジェクトに関わることになり、駅前にふさわしい土地利用について、横浜市や地権者様と協議を重ねていきました。そこで、新しい人の流れや交流を育むプロムナードや広場、住宅やスーパーマーケットの誘致など、人々の暮らしに寄与する施設が計画されました。そしてプロジェクトを推進する日鉄興和不動産さんと協業することで、2024年秋に当社として初となる複合商業施設「HAZAAR(ハザール)」の開業を果たすことができました。
釣:「リビオタワー羽沢横浜国大」は、当社として事業参画させていただいた2019年より担当しておりました。実は、羽沢エリアは、私が学生時代を過ごした街。それだけに、この場所で新しい街づくりに挑戦することへのやりがいと責任感を一層強く抱きました。単なるタワーレジデンスの開発ではなく、寺田倉庫さんが築き上げてきた地権者様との関係性や街づくりの方針を受け継ぎながら、「駅一体の新しい街」を「地域と共に作る」という想いで開発を進めました。こうして、街の中心を創り出すプロジェクトとして、また新しくスタートする人々の豊かな生活基盤として、2社が強固に連携し合い、商業施設を備えた複合開発タワーが計画されました。
田嶋:駅・商業施設・レジデンスが一体となった新しい街の名を「HAZAWA VALLEY」と命名しました。江戸時代より継承される地名「羽沢」を冠し、IT・スタートアップ企業が集積し、時代を牽引するシリコンバレーになぞらえたものです。ゼロからスタートしたこの街に、様々なヒト・モノ・コトが集まり、新しい価値観やライフスタイルを生み出し、豊かな生活都市へと成長していくことを願う我々の想いが、このネーミングに込められています。実は、私もこの街で生まれ育ち、地域貢献のできるプロジェクトには、釣さんと同じように、意義を感じております。地権者様を含めた地元の方々と共に、新しい街づくりを進めてまいりました。
2.新駅×超高層タワーレジデンス フラッグシッププロジェクトにかける想い
富士山や東京湾まで一望できるタワーならではの眺望
釣:「リビオタワー羽沢横浜国大」は、2021年の「LIVIO」のリブランディング後、初めてリビオを冠したタワーマンションとなります。フラッグシッププロジェクトとして、開発には大きな力を注ぎました。個人的にも、プロジェクトに携わった期間が長かったこともあり、完成時はとても感慨深いものがありました。
建設地は、「横浜」駅3.5km圏の高台に位置しているのですが、周囲に高い建物が少ないこともあり遠くからでも目立つので、街のランドマークであることを深く実感できます。屋上部分は、「羽沢」という地名に因んで“羽”をモチーフにしたデザインにしており、夜間はライトアップされ、より印象的な佇まいとなります。
田嶋:竣工後、内覧させていただいた時、その素晴らしい眺望に驚きました。みなとみらい方面はもちろん、三浦半島や千葉方面、東京タワー、東京スカイツリー®、そして富士山。この眺望だけでも価値があると、地元住民としても感動いたしました。

大規模タワーレジデンスに暮らす魅力
釣:リビオは、「人生をデザインしよう、リビオと。」というメッセージのもと、お客様の人生を豊かにすることを考え続けるブランドです。社員が実際に入居者様のご自宅を訪問し、直接お話を伺うなど、徹底した顧客目線を大切にしています。本物件でもその姿勢を貫き、入居者様のより豊かな暮らしを考えた商品企画を行いました。まず、エントランスから一歩入ると、開放感を感じられる2層吹き抜けのエントランスホールをご用意しました。天井部分に羽をイメージした壮大なアートも設置し、住まうほどに誇らしさを感じられる空間になるよう設えました。

さらに本物件では、共用施設の企画にもこだわりました。駅・沿線利用の利便性から様々なエリアから入居者様が集まることが想定されましたので、在宅勤務など現代の働き方を叶える共用施設として、アクティブラウンジを設えました。約230m2という広い空間に個室ブースやキッチンスタジオなどを完備し、パーティーやイベント、オンライン会議といったシーンで空間を自在に使い分けられます。さらに、ラウンジ内の人の密度によって、自動的に空気が循環されるシステムも導入しましたので、常に快適にお過ごしいただけます。他にも内廊下設計や各階ゴミ置場を備え、24時間有人管理体制も導入して、安心・快適な暮らしもサポートします。
プランではワイドスパンを数多く用意し、眺望が楽しめるハイサッシを採用。設備では、ディスポーザーや天然御影石カウンターなどを標準装備とすることで、快適性と高級感にもこだわりました。このように共用部、専有部ともに暮らしてからの居心地の良さを大切にして、リビオでよかったと言っていただけるよう、工夫を重ねました。

3.ここにしかない街のデザインを追求した「HAZAWA VALLEY」
駅からのアプローチは歩行者専用のプロムナードとし、沢の流れを意識した曲線を描き、スムーズな歩行動線を設計しました。また、地権者様や地元住民の方々とのコミュニケーションも活発だったので、『スーパーが欲しい』など、リアルな声も積極的に取り入れ、人々が本当に望む街をカタチにしながら、「HAZAWA VALLEY」を開発していきました。

街を彩るアートと音楽。
地域とのつながりを大切にした持続可能な街づくり
釣:開発にあたり重視したのは、街とのつながりを意識した外構設計でした。ここを行き交う人々が心地よいひとときを過ごせて、その中でも、ただ単にベンチがあるような場所ではなく、人の流れや交流が生まれることで、街に関わる人々皆がこの街を好きになっていくような場にしたいと思いました。そこで街全体に「アートと音楽」というテーマを掲げ、タワーレジデンスの敷地には、かつてこの地にあった清らかな沢を思い起こさせる、水面をテーマにした大きな“みずたま”のモニュメントをアートとして設えました。このアートは横浜を拠点に活躍する美術家に担当してもらいました。ここが待ち合わせの目印となったり、いずれ子ども達の原風景の一つになれば良いな、と思っています。そして、新しい街での豊かな日々がずっと続いていくようにという願いを込めて、タウンソング「つづく」も制作しました。地元の人々と共につくり上げるという想いのもと、タウンソングもアートと同様に、地縁のある横浜市出身のシンガーに歌ってもらいました。プロムナードにはこのほか、季節や天気をアーティスティックに映し出すデジタルサイネージやカラー照明、音響設備の設置を行い、日常だけでなくイベント時にも街全体がアートと音楽に彩られるような工夫を凝らしました。

(右)時刻や天気をお知らせするデジタルサイネージ(どちらも2025年5月撮影)
田嶋:サステナブルな未来を目指すためにも、地域との連携や人々の交流促進は欠かせません。当社が長年この地で築き上げた皆様との関係性を、生まれ変わった街でも新たな形で地元に還元したいと思いました。その一つの手法がイベント開催です。駅開業時に駅前で開催された新駅開業記念イベント『ハザコクフェスタ』(相模鉄道主催)を皮切りに、「HAZAWA VALLEY」内では様々なイベントを企画・開催しております。
釣:当社としては、寺田倉庫さんが築き上げてきた権利者様との関係性や街づくりの方針を受け継ぎながら、街に関わる企業や人々がつながるモノ・コトの「仕組みづくり」にも注力しました。例えば、当社主催の『HAZAWA VALLEY FES』という街フェスは2023年から計2回開催しています。竣工・街開き後の開催時には、約5,000人に来場いただき、地元関連企業の協賛や行政の後援、小学生、大学生によるタウンソング合唱・演奏など、数多くの出演者と出店を得て、大盛況でした。他にも、竣工後半年間、週末に近隣農家の野菜やパン、惣菜などを販売した『HAZAWA VALLEY MARCHE』も好評でした。

(下2点)『HAZAWA VALLEY MARCHE』の様子(全て2024年6月撮影)
4.日鉄興和不動産×寺田倉庫が豊かな未来を拓く

田嶋:「HAZAAR」には、日常利用に便利なスーパーマーケット「ロピア」をはじめ、コンビニエンスストア、認可保育所、クリニック、カフェレストラン、クリーニング取次店など、暮らしを彩る多彩な生活利便施設が入り、マンションの入居者様はもちろん、周辺住民の方々にもご利用いただいております。また、横浜国立大学のサテライト施設「YNU BASE HAZAWA」もあり、大学関係者の予約利用以外は、フリースペースとして一般利用も可能です。
「HAZAAR」の開業に伴って、地域の皆様の雇用機会が増えたという、嬉しい声も伺いました。今後は、利用者の皆様の期待に応え、「HAZAAR」をさらに充実させて、地域全体の活性化にも貢献していきたいと思います。
釣:今後10年、20年先、この街を好きな人が一人でも多くなることを願います。暮らしている人にも、訪れる人にも愛され、誇れる街であってほしい。それが、“住む人が街を好きになる”という理想を実現できた証になると思っております。

(下右)「HAZAAR」にある「YNU BASE HAZAWA」横浜国立大学「地域連携のためのサテライト施設」
(全て2025年5月撮影)
リビオタワー⽻沢横浜国⼤
駅徒歩1分×商業一体複合開発タワー。
新しい街のシンボルとなる超高層23階建て・全357邸。
※三菱地所レジデンスとの共同開発事業
※1:各開発街区の敷地面積に、「羽沢横浜国大」駅の面積を加えたものです。