『顔の見えるマンション管理』で、人と人とをつなぐ やがて子どもの“故郷”になる良質なコミュニティを

執行役員
マンション管理統括部 副統括部長
杉﨑 悦雄
住む前も 住んだあとも。
その両方の品質を大切に考えるリビオ。
だからこそ、入居後の暮らしを支える管理に大きな力が注がれます。
リビオならではの一歩先をいくデジタルツールを活用しながらも、
人と人をつなぐホスピタリティを基本に、お客様の暮らしに寄り添います。
【POINT】
1.グループ会社連携で、より質の高い管理を提供
2.マンション管理のプロとして「ホスピタリティ」を大切に
3.未来を見据えた管理会社の役割と理想のマンション像
1.グループ会社連携で、より質の高い管理を提供
組織としての成長と変革
日鉄コミュニティは日鉄興和不動産のグループ会社として、分譲マンション「リビオ」シリーズをはじめとしたマンションやビル、商業施設などの管理事業を担う会社です。私は日鉄コミュニティへの入社以降、現場担当から管理職、支店長を経て、現職に至ります。入社当時は、マニュアルやシステムが活かされておらず、個人の力量に頼る経営でした。2012年、新日鉄都市開発と興和不動産の経営統合を契機に、組織改革が始まりました。その後管理会社も合併し、支店の細分化、システムの活用や業務プロセスの見直し等、改善が図られました。親会社である日鉄興和不動産からの幹部スタッフの出向も契機となり、個人の集合体から、組織として体系化された運営へと抜本的な変化を遂げたのです。
グループ全体を意識した目標達成に取り組むなど、組織としての一体感も生まれました。こうした企業文化のもと、社員教育には時間をかけ、段階を追ってじっくり育てていく方針を採っています。風通しが良く、役職に関係なく自由に意見を交わせる社風も相まって、新卒社員の定着率が高いのも当社の特徴です。
管理も一つの「商品」。ブランド価値向上へ貢献
日鉄興和不動産との連携強化が進む中で、一つの契機となったのは、リビオのリブランディングだったと思います。「Life Design! with LIVIO.」というメッセージに、私も大いに共感しました。住まいは、一生に一度ともいえる大きな買い物です。だからこそ、住んでからの満足感を大切にしたい。その先、何十年と続く生活基盤をつくること、縁の下の力持ちですけれど、管理会社の社会的意義は大変重要だと考えております。
日鉄興和不動産から「管理も一つの商品」という言葉をいただき、現在は、マンションのコンセプト設計段階から連携して、各物件の特色やお客様層に合わせた、きめ細やかな管理計画が立てられています。このように日鉄興和不動産と日鉄コミュニティが相互に理解を深めることで、よりよい商品企画や販売、そして管理へとつながり、リビオの価値を共に創造することができます。それが、日鉄興和不動産グループの一員としての強みであり、そういう意味でデベロッパーの管理会社は恵まれている、と思うところです。
2.マンション管理のプロとして「ホスピタリティ」を大切に
お客様の暮らしに寄り添う管理を
私が考える管理とは、お客様に喜んでいただき、納得していただくことです。つまり、顧客満足度の向上こそが管理会社としての重要な役割です。リビオの価値を支える『LIVIO 4 VALUES』の中で、特に重要と位置付けているのがホスピタリティです。マニュアルや契約書にないことでも、その場において、お客様目線でサポートする。決して過剰サービスをすることではなく、お客様の立場に立って考え、行動する姿勢がホスピタリティの本質だと考えています。
さらに、入居者様と最も接点の多い管理人の採用・育成にも注力しています。業務は採用後に覚えてもらえばよいという考えのもと、採用基準は何よりも人柄を重視しています。例えば、子ども達が帰宅する時間には巡回に出ないで待つことができるか、子どもの目線で会話ができそうかなど、"お客様との距離感"を大切にできる管理人であることを何より大切にしています。面接には物件担当者も同席して、管理人としての人柄や素質を見極めています。
デジタルの時代だからこそ大切な、人と人のつながり
リビオでは、ご入居後、24時間・365日いつでも対応する「サービスデスク24」を提供し、設備のトラブルサポートや家事代行サービスを実施しています。また、入居者・契約者様専用のWebサービス「myLIVIO」でマンション生活をサポートしています。時代と共にDXの導入も進み、管理の効率化は図られていますが、これからの管理には、プラスαが必要だと考えています。デジタル化が進む今だからこそ、人と人との接点を大切にする管理スタイルに立ち返り、入居者様との距離が近い、いわゆる顔の見える管理会社であるべきです。入居者様との信頼関係を築いてこそ、安心・快適な暮らしをご提供できると信じております。
日鉄興和不動産と商品企画から管理に至るまで、一貫した連携が強化される中で新たな取り組みも生まれています。例えば2024年よりサービスを開始した、「リビオ新生活コンシェルジュ」は大変好評です。新築マンションの入居開始から一定期間常駐し、ご質問等に、その場でコンシェルジュが対応するので、お客様の負担が軽減され、サービスのクオリティも向上していると実感しております。また、日鉄興和不動産では竣工から1年、5年、10年を経過した物件を対象とした入居者様向けのアンケートと訪問調査を行っており、その活用も始まっています。結果には、ご満足の声とともに、厳しいご指摘もありますが、これらを参考にしながら、管理会社として、日々サービスの改善・向上につなげることができています。

3.未来を見据えた管理会社の役割と理想のマンション像
次世代へ住み継がれ、安心して帰れる場所
私にとって理想的なマンションとは、ソフト面が重要だと考えます。基本的な安心・安全が確保されたうえで、マナーが守られ、いざという時に同じ方向を向いて、協力体制が敷けるコミュニティです。かつて、「ここで生まれ育った子どもたちにとって、このマンションは"故郷"になる」という印象的なお話を聞いた時、家族の誰もが安心して帰れる場所が理想であり、管理会社として、そうした環境づくりが使命だと気付かされました。
私が担当した中で、想い入れのあるマンションがあります。築30年近いマンション(分譲済)ですが、周囲は自然環境に恵まれ、ハード面での魅力は数多くあります。それに加えて、住民のコミュニティがしっかりと確立されており、自治会活動が活発で、イベントも自発的に開催されています。世代交代も進みましたが、挨拶があちこちで交わされ、幅広い年齢層による良好なコミュニティが維持されており、有事の際の共助についても心配ないと感じられました。恒例のバーベキュー大会には、私も毎年参加させていただき、共に楽しいひとときを過ごしました。

2025年は、できる限り多くの防災訓練に参加して、入居者様と直接お会いできる機会を増やすとともに、普段は見られない設備室などを巡るマンションツアーを組み合わせ、自助を促す取り組みも始めていきます。今後も、こうした良質なコミュニティ形成を促していき、そして、日鉄興和不動産グループの一員として、リビオブランドの進化を支え、当社の社会的意義を果たしたいと考えております。